キャリア

仕事を辞めたいけど、今辞めて大丈夫?

今の会社を辞めるべきか、それとも在籍したまま次の仕事を探すべきか。

辞めたい気持ちが何週間も消えないとき、迷っているのは気持ちの問題だけではありません。失業手当はいつから出るのか、健康保険や年金、住民税はどうなるのか、有給休暇は使い切れるのか。お金と手続きの現実を心身の状態と並べて、今辞めるか、続けながら次を探すかを落ち着いて比べてみましょう。

手短に言うと

眠れない、休日も回復しないといった不調が続いているなら、辞めるのは逃げではなく立て直すための選択です。医師にかかり、傷病手当金や正当な理由のある自己都合退職の扱いを確認してから動けば、お金の不安はかなり抑えられます。一方で、不満の中心が一時的な繁忙や一人の上司との関係にあり、貯金も数か月分しかないなら、在籍したまま転職活動を進めるほうが安全です。自己都合でも失業手当は待期7日と給付制限1か月のあとに出ますが、健康保険や住民税の支払いは待ってくれません。

テンプレートの天秤

甲乙つけがたい

両者はほぼ拮抗しています。大きな項目をさらに細かく分解してみましょう。

52%
賛成
48%
反対
最も強いメリット

月45時間を超える残業が3か月続くなど、働き方が限界に近い

最大のリスク

次が決まるまで収入が途切れ、失業手当も待期と給付制限のあとになる

判断のしくみ

各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。

下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。

メリット

デメリット

自分のものにする

論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。

決める前のチェック

  • 雇用保険の加入期間が、離職前2年間で通算12か月以上あるかを確かめる
  • 就業規則で退職の申し出期限を確認し、退職金規程に自己都合の減額がないかも読んでおく
  • 残りの有給休暇の日数を数え、引き継ぎと消化の日程から退職日を逆算する
  • 賞与の支給日と在籍条件を確かめ、退職日をその後に置けないか考える
  • 任意継続と国民健康保険の保険料を比べる。任意継続の申し出は退職日の翌日から20日以内
  • 長時間残業やハラスメントが理由なら、勤怠の記録やメール、日々のメモを手元に残す
  • 体調が理由なら、退職前に受診し、傷病手当金を申請できないか加入先の健康保険に相談する
  • 退職後は離職票を受け取り、住所地のハローワークで求職の申込みをする

よくある質問

自己都合で辞めた場合、失業手当はいつから受け取れますか?
ハローワークで求職の申込みをしたあと、まず7日間の待期があり、自己都合の場合はさらに給付制限がかかります。退職日が2025年4月1日以降なら給付制限は原則1か月で、以前の2か月から短くなりました。ただし過去5年間に正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けていると3か月です。退職前1年以内や離職中に、教育訓練給付の対象講座などを自分で受けた場合は、給付制限そのものが解除されます。なお受給には、離職前2年間に雇用保険の加入期間が通算12か月以上必要です。
退職は何日前に伝えればいいですか?就業規則には1か月前とあります。
期間の定めのない雇用なら、民法627条により、退職の申し入れから2週間で契約は終わります。とはいえ就業規則で「1か月前まで」と定める会社は珍しくなく、引き継ぎと有給休暇の消化を考えると、1〜2か月前に伝えるのが現実的です。退職日までに残りの有給休暇を取りたいと申し出た場合、会社は時季変更権を使って退職日より後にずらすことができないため、基本的には認めるほかありません。
退職代行サービスを使っても問題ありませんか?
本人に代わって退職の意思を伝えるだけなら、弁護士でない業者でも違法ではありません。ところが、有給休暇の消化や未払い残業代、退職日の条件を会社と交渉するのは法律事務にあたり、弁護士以外が報酬を得て行うと弁護士法72条に触れます。2025年10月には退職代行の運営会社に弁護士法違反の疑いで強制捜査が入り、東京弁護士会が改めて注意を呼びかけました。交渉が必要になりそうなら、最初から弁護士に頼むほうが確実です。
心身が限界で辞める場合、使える制度はありますか?
病気やけがで働けないなら、健康保険の傷病手当金を確認してください。日額は直近12か月の標準報酬月額の平均をもとにした額の3分の2で、同じ傷病について通算1年6か月まで受け取れます。退職日までに継続して1年以上加入し、退職時点で受給しているか受給できる状態であれば、退職後も続けて受け取れます(退職日に出勤すると対象外)。体調不良による退職が雇用保険で正当な理由のある自己都合と認められれば、失業手当の給付制限もかかりません。
辞めたあとの健康保険、年金、住民税はどうなりますか?
すぐに次の会社へ入らない場合、健康保険は任意継続、国民健康保険、家族の扶養のいずれかになります。任意継続は退職日の翌日から20日以内に申し出が必要で、加入できるのは最長2年、保険料は会社負担がなくなるため在職中のおよそ2倍です(上限あり)。年金は国民年金に切り替え、払うのが難しければ退職を理由にした特例免除を申請できます。住民税は前年の所得にかかるので、収入がない月にも納付書が届くと考えておきましょう。

今の会社を辞めるべきか、それとも在籍したまま次の仕事を探すべきか。

自分のものにする