お金
繰り上げ返済、するべき?しないほうがいい?
手元にまとまったお金ができたとき、住宅ローンやカードローンを早めに返すのと、貯金や新NISAに回すのと、家計にとって得なのはどちらでしょうか。
繰り上げ返済は、返した分にかかるはずだった利息をそのまま減らせる、確実性の高いお金の使い方です。とはいえ住宅ローンには住宅ローン控除や団信といった日本ならではの事情があり、低い金利の借入を急いで返すと、かえって損をすることもあります。借入の種類と金利、そして手元に残る生活防衛資金を並べて考えてみましょう。
手短に言うと
鉄則は、金利の高い借金から返すことです。カードローンやリボ払いは、余裕資金ができたらすぐに繰り上げ返済しましょう。低金利の住宅ローンは事情が違います。控除を受けている間は残高の0.7%が税金から戻り、団信があれば万一のとき残高は保険で消えるため、急ぐ理由は意外と少ないのです。生活防衛資金を確保したうえで、控除期間が終わってから、あるいは金利が上がってきた段階で期間短縮型で返す。この順番なら無理がありません。
テンプレートの天秤
甲乙つけがたい
両者はほぼ拮抗しています。大きな項目をさらに細かく分解してみましょう。
カードローンやリボ払いの金利は、住宅ローンとは桁違いに高い
住宅ローン控除は年末残高の0.7%。残高を減らせば控除も減る
判断のしくみ
各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。
下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。
メリット
デメリット
論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。
決める前のチェック
- すべての借入を書き出し、カードローン、マイカーローン、住宅ローン、奨学金などを金利の高い順に並べる
- 住宅ローン控除の残り年数と、最初の返済月から数えた返済期間が10年を切らないかを確認する
- 金融機関のサイトで、一部繰り上げ返済の手数料と最低金額を調べる
- 期間短縮型と返済額軽減型の両方で、減る利息と毎月の返済額を試算して比べる
- 返済後も、生活費の数か月分以上の現金が手元に残るかを確かめる
- 変動金利なら、5年ルールや125%ルールの有無と、未払利息が出るリスクを契約書で確認する
- 団信の保障内容を見て、民間の生命保険と保障が重なっていないか見直す
よくある質問
- 住宅ローン控除を受けている間に繰り上げ返済すると損ですか?
- 控除額は年末のローン残高の0.7%なので、残高を減らせば控除も減ります。借入金利が0.7%より低く、税額から控除しきれているなら、借りたままのほうが手元に残るお金は多くなる計算です。もうひとつ気をつけたいのが返済期間の短縮。最初の返済月から、短くなった返済期間の最終月までが10年未満になると、その年以降は控除そのものが受けられなくなります。控除期間が終わってからまとめて返す人がいるのは、このためです。
- 期間短縮型と返済額軽減型、どちらを選べばいいですか?
- 同じ金額を返すなら、利息を減らす効果が大きいのは返済期間を縮める期間短縮型です。返済額軽減型は期間をそのままにして毎月の返済額を下げるので、教育費がかさむ時期や、収入が減りそうなときの家計を助けてくれます。定年後までローンが残る計画なら期間短縮型で完済を前倒しし、毎月の負担が重いなら返済額軽減型に。目的で選ぶのが基本です。
- 繰り上げ返済と新NISA、どちらを優先すべきですか?
- 比べるべきは、ローンの金利と運用で期待できる利回り、そしてリスクの違いです。返済すれば金利分の効果が確実に手に入りますが、新NISAの運用益は非課税でも元本割れがありえます。数%の金利がつく借入なら返済を優先し、低金利の住宅ローンなら非課税枠での積立を続けながら様子を見る、という考え方が一般的です。iDeCoは掛金が所得控除になる一方、原則60歳まで引き出せない点も頭に入れておきましょう。
- カードローンやリボ払いも早く返したほうがいいですか?
- はい、真っ先に返すべき借金です。キャッシングやカードローンの金利は利息制限法で年15〜20%が上限とされ、リボ払いも含めて住宅ローンとは桁違いの水準になりがちです。これを確実に上回る運用はまずないので、金利の高いものから順に返していきましょう。貸金業者からの借入は、残高が年収の3分の1を超えると新たに借りられない総量規制もあります。返済に行き詰まりそうなら、早めに自治体の消費生活センターや法テラスに相談してください。
- 奨学金は繰り上げ返済したほうがいいですか?
- 日本学生支援機構の奨学金は、リレー口座からの繰上返還なら手数料がかかりません。ただ、第一種は無利子なので、早く返しても利息は減りません。第二種は利息がつくため、自分の利率を確認してから判断しましょう。病気や失業で返すのが苦しくなったときは、返還期限猶予や減額返還といった救済制度を使えます。一方で、繰り上げて返したお金は戻ってきません。手元資金を厚くしてから考えても遅くはないはずです。
手元にまとまったお金ができたとき、住宅ローンやカードローンを早めに返すのと、貯金や新NISAに回すのと、家計にとって得なのはどちらでしょうか。
自分のものにする