お金

生命保険は本当に必要?遺族年金と団信を差し引いてから考える

遺族年金や高額療養費制度、住宅ローンの団信でまかなえる分を除いても、民間の生命保険に毎月お金を払う意味はあるのでしょうか。

日本で暮らす家庭には、遺族年金、健康保険の高額療養費制度、住宅ローンの団信といった備えがすでにあります。民間の保険で埋めるべきなのは、そこからこぼれる分だけ。子どもの年齢、配偶者の収入、ローンの有無、貯蓄の厚みを並べてみると、保険にいくら払うべきか、そもそも要るのかが見えてきます。

手短に言うと

必要かどうかは、あなたが亡くなったあと家族の家計がいくら足りなくなるかで決まります。遺族年金、団信で消える住宅ローン、配偶者の収入、手元の貯蓄を差し引いてもなお大きな不足が残るなら、子どもが独立するまでの期間に絞った掛け捨ての保障が合理的です。独身で扶養する人がいない場合や、公的保障と貯蓄で足りる場合は、無理に入る必要はありません。医療への備えも、高額療養費制度を知ったうえで考えれば、思ったより小さくて済むはずです。

テンプレートの天秤

甲乙つけがたい

両者はほぼ拮抗しています。大きな項目をさらに細かく分解してみましょう。

49%
賛成
51%
反対
最も強いメリット

小さな子がいるなら、遺族年金だけでは教育費まで賄いにくい

最大のリスク

扶養家族のいない独身なら、死亡保険金を残す相手がそもそもいない

判断のしくみ

各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。

下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。

メリット

デメリット

自分のものにする

論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。

決める前のチェック

  • 年金事務所や「ねんきんネット」で加入記録を確かめ、万一のときの遺族年金の見込みを把握する
  • 子どもが独立するまでの生活費と教育費から、遺族年金・配偶者の収入・貯蓄を引いて必要保障額を出す
  • 住宅ローンの契約書で団信に加入しているか、保障の範囲が死亡だけか、がんなども含むかを確認する
  • 勤務先の死亡退職金や弔慰金、団体保険の有無を、就業規則や福利厚生の案内で調べる
  • 医療保険を検討する前に、加入している健康保険の高額療養費の区分と、付加給付があるかを確かめる
  • 契約前に告知事項と保険金が支払われない条件を読み、クーリング・オフの期限も控えておく
  • 加入したら、年末調整や確定申告で生命保険料控除を忘れずに申告する

よくある質問

夫や妻が亡くなったら、遺族年金はいくらもらえますか?
18歳到達年度の末までの子がいる配偶者には遺族基礎年金が支給されます。2026年度の額は年84万7,300円で、子1人目と2人目には各24万3,800円が加算されるため、子が1人なら年109万1,100円です。亡くなった人が会社員や公務員なら、その人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3にあたる遺族厚生年金も上乗せされます。一方で、子のいない配偶者には遺族基礎年金が出ず、子のない30歳未満の妻の遺族厚生年金は5年間で終わります。遺族厚生年金は2028年4月から見直しが予定されているので、最新の条件は日本年金機構で確認してください。
医療保険にも入っておかないと、入院したときが不安です
健康保険には高額療養費制度があり、1か月の医療費の自己負担に上限があります。2026年8月診療分からは、年収約370万〜770万円の70歳未満なら、上限は8万5,800円に、総医療費のうち28万6,000円を超えた部分の1%を足した額。医療費が100万円かかっても自己負担は約9.3万円です。直近12か月で3回以上上限に達すると4回目からは月4万4,400円に下がり、この区分では年間53万円の上限も新設されました。差額ベッド代や入院中の食事代、先進医療の技術料は対象外です。会社員なら休業中に給与の約3分の2の傷病手当金も出ますが、自営業者の国民健康保険には基本的にこの給付がありません。
独身で子どももいません。生命保険はいりませんか?
死亡保障は、残された人の暮らしを支えるためのものです。扶養している家族がいなければ、大きな死亡保険金を用意する理由はあまりありません。葬儀や身辺整理の費用くらいなら、貯蓄でまかなえることがほとんどです。生命保険文化センターの2024年度調査でも、単身世帯の生命保険加入率は45.6%で、2人以上世帯の89.2%を大きく下回っています。親の生活費を援助している、結婚や出産が近い、といった変化があったときに見直せば十分です。
住宅ローンがある場合、死亡保障は減らしてもいいですか?
住宅ローンを組むときに加入する団体信用生命保険(団信)は、契約者が亡くなったり所定の身体障害状態になったりすると、残りのローンを保険で完済する仕組みです。家族はローンのない家に住み続けられるので、住居費の分まで生命保険で備える必要はありません。必要保障額を計算するときは、家賃やローン返済を支出から外して考えます。フラット35のように団信への加入が任意のローンもあるため、自分が入っているかどうかは契約書で確かめておきましょう。
掛け捨てと貯蓄型、どちらを選ぶべきですか?
子育て期間のように保障が必要な期間がはっきりしているなら、定期保険や収入保障保険といった掛け捨て型で、安く大きな保障を持つのが基本です。終身保険や養老保険、外貨建て保険などの貯蓄型は保険料が高く、早い時期に解約すると返戻金が払った額を下回りやすい商品です。お金を増やすのが目的なら、新NISAやiDeCoと比べてから決めても遅くはありません。

遺族年金や高額療養費制度、住宅ローンの団信でまかなえる分を除いても、民間の生命保険に毎月お金を払う意味はあるのでしょうか。

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