ビジネス
共同創業者と組むか、一人で起業するか。株の分け方で後悔しないために
スタートアップに共同創業者を迎えるべきか、それとも一人で立ち上げるべきか。
技術がわかる相棒や営業の得意な仲間がいれば、立ち上げの速さは大きく変わります。ただ、創業メンバー同士の仲たがいは、スタートアップがつまずく典型的な理由のひとつです。日本の株式会社では議決権の過半数と3分の2がそれぞれ大きな意味を持つため、最初の株の分け方が後々の意思決定まで縛ります。相手の人柄だけでなく、持株比率と離れるときの取り決めまで含めて考えましょう。
手短に言うと
自分に足りない力をはっきり補ってくれる相手で、すでに一緒に仕事をして相性を確かめているなら、共同創業者を迎える価値は十分あります。その場合も株を分ける前に、持株比率、意見が割れたときの最終決定権、辞めるときの株の買取条件を創業株主間契約にまとめておいてください。寂しさを埋めたい、手近に頼れる友人がいるといった理由だけなら、一人で始めて、必要な力は業務委託や採用で補うほうが安全です。
テンプレートの天秤
ややノー
デメリットがやや優勢ですが、大差ではありません。
39%
賛成
61%
反対
最も強いメリット
資金が尽きかけた月や大口の顧客を失った日に、同じ重さで悩める相手がいる
最大のリスク
仲たがいして相手が辞めても、何も決めていなければ株は相手の手元に残る
判断のしくみ
各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。
下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。
メリット
デメリット
自分のものにする
論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。
決める前のチェック
- 相手に任せたい仕事と、それを自分ではこなせない理由を紙に書き出す
- 株を分ける前に、業務委託や副業の形で数か月一緒に働いてみる
- 持株比率を決めるときは、過半数と3分の2の線で誰が何を決められるかを確認する
- 退任時の株の買取条項と価格の決め方を創業株主間契約に入れ、弁護士に見てもらう
- 設立前に相手が作ったコードやデザインの著作権を、会社に譲渡する契約を結ぶ
- 役員報酬の額は事業年度の開始から3か月以内に二人で決め、議事録に残す
- 代表者と肩書き、最終決定権を誰が持つかを、投資家に会う前に決めておく
よくある質問
- 共同創業者と株を半分ずつ持つのはよくないのですか?
- 50対50にすると、二人の意見が割れたときに株主総会で何も決められなくなります。会社法では、取締役の選任などの普通決議には出席株主の議決権の過半数、定款の変更や合併などの特別決議には3分の2以上の賛成が必要です。こうした線引きがあるため、日本では代表になる人が過半数、できれば3分の2以上を持つ配分がよく選ばれます。均等に分けるなら、意見が割れたときに最終判断をする人を契約で決めておきましょう。
- 共同創業者が途中で抜けたら、その人の株はどうなりますか?
- 何も決めていなければ、辞めた人も株主のまま残ります。会社に関わらない人が大きな持分を持ち続けると、次の資金調達で投資家に敬遠されやすくなります。日本では米国式のベスティングをそのまま使うより、創業株主間契約に「退任したら決められた価格で残る創業者などに株を譲る」という買取条項を入れる形が一般的です。買取価格を極端に低くすると贈与税などの問題が出ることもあるため、弁護士や税理士と相談しながら条項を作ってください。
- 共同創業者の役員報酬は、どう決めればいいですか?
- 役員報酬は、事前に税務署へ届け出た賞与などを除くと、事業年度の開始から3か月以内に決めた額を毎月同じ額で払う「定期同額給与」でなければ、法人税の計算で損金に入れられません。業績が大きく悪化したなどの事情がない限り、年度の途中で増やしたり減らしたりはしにくいということです。創業時にお互いの生活費と会社の資金繰りを見せ合い、最初の1年の金額を合意しておくと、後から不公平感が生まれにくくなります。
- 共同創業者は、どうやって探せばいいですか?
- 前の職場の同僚や大学の研究室の仲間など、一緒に働いた経験がある相手から考えるのが確実です。自治体や大学の起業支援プログラム、起業家向けのイベントやマッチングサービスで出会う方法もありますが、知り合って間もない相手といきなり株を分け合うのは避けましょう。数週間から数か月、業務委託や副業の形で仕事を頼んでみて、締め切り前の動き方や、意見がぶつかったときの態度を見てから決めても遅くはありません。
スタートアップに共同創業者を迎えるべきか、それとも一人で立ち上げるべきか。
自分のものにする