キャリア

外資系への転職、年収アップと引き換えに何を失う?

年俸制で成果が評価される外資系企業に移るか、長く安心して働ける日系企業にとどまるか。

外資系企業の魅力は、年俸制の高い報酬と、年齢や社歴ではなく成果で評価される仕組みです。その一方で、退職金制度を設けていない会社も珍しくなく、成果が出なければPIP(業績改善計画)や退職勧奨に向き合うこともあります。とはいえ日本で雇われて働く限り、解雇には日本の労働契約法が及び、会社が自由に解雇できるわけではありません。英語の負担や家計の余裕、その次の転職まで見据えて、どちらが自分に合うかを考えてみましょう。

手短に言うと

成果に見合った報酬を求めていて、英語で働くことに抵抗がなく、退職金がない分を自分で積み立てられるなら、外資系への転職はよい選択になりえます。逆に、同じ会社で長く安心して働きたい人や、一人の収入で家族を支えていて収入の波を避けたい人には、日系企業のほうが合っています。外資系でも日本法人で働く限り解雇規制は及びますが、退職勧奨は珍しい話ではありません。退職金や手当を差し引いた実質の年収と、評価の仕組みを確かめてから決めてください。

テンプレートの天秤

甲乙つけがたい

両者はほぼ拮抗しています。大きな項目をさらに細かく分解してみましょう。

50%
賛成
50%
反対
最も強いメリット

年齢や社歴ではなく、成果と役割で評価される

最大のリスク

退職金制度がない、または確定拠出年金だけという会社も珍しくない

判断のしくみ

各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。

下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。

メリット

デメリット

自分のものにする

論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。

決める前のチェック

  • オファーレターで、年俸の内訳、賞与の決まり方、固定残業代の有無と時間数を確認する
  • 退職金制度と企業型確定拠出年金の有無を聞き、ない場合は毎月いくら積み立てれば足りるかを計算する
  • 今の会社の住宅手当や家族手当を年額に直し、外資系の年収から差し引いて比べる
  • 直属の上司の所在地、評価の頻度、PIPの運用実態を、面接や知人を通じて聞く
  • 日本法人の規模と、過去に人員削減や撤退がなかったかを、報道や口コミで調べる
  • RSUなどの株式報酬があるなら、課税のタイミングと源泉徴収の有無を人事に確認する

よくある質問

外資系企業はすぐにクビになるというのは本当ですか?
日本法人で働く社員には、日本の労働法が適用されます。労働契約法16条により、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効で、本国の方針だからといって自由に解雇できるわけではありません。実際によくあるのは解雇ではなく退職勧奨です。成果が足りないと判断されるとPIPと呼ばれる改善計画を課され、その後に上乗せの退職金などを示されて合意退職を求められる、という流れがよく見られます。応じるかどうかを決めるのは本人です。
退職勧奨に応じて辞めると、失業保険はどうなりますか?
事業主から直接または間接に退職を勧められて離職した場合は、ハローワークの基準で特定受給資格者に当たり、自己都合で辞めたときより給付の面で有利になります。ただし、以前から常に設けられている早期退職優遇制度に自分で応募して辞めた場合は該当しません。退職合意書にサインする前に、離職理由がどう書かれるかを確かめ、上乗せの金額や有給休暇の消化、再就職支援の有無も交渉の材料にしましょう。
年俸制だと残業代は出ないのですか?
年俸制でも労働基準法は適用されるので、管理監督者に当たらない限り、残業代は原則として支払われます。年俸に一定時間分の残業代を含める固定残業代の形をとる会社もありますが、その場合は残業代の部分がほかの賃金と区別されている必要があり、その時間を超えた分は別に払われなければなりません。オファーレターでは、年俸の内訳と、残業代や賞与がどう扱われるかを確認しておきましょう。
英語はどのくらいできれば外資系で働けますか?
職種と会社によって大きく違います。日本の顧客を担当する営業職のように日常業務はほぼ日本語という職場もあれば、上司が海外にいて毎週の面談も評価も英語という職場もあります。気をつけたいのは、入社するときより昇進するときに英語の壁が高くなりやすいことです。面接では、直属の上司がどこにいるのか、社内の会議や資料が何語なのかを具体的に聞いておくと、入社後のギャップを防げます。
親会社の株式報酬(RSU)には税金がかかりますか?
外国の親会社から付与される株式報酬は、株を受け取る権利が確定した時点の価値が給与所得として課税されるのが基本で、裁判でもそう判断されてきました。日本法人が源泉徴収をしていなければ、自分で確定申告をする必要があります。株価と為替で手取りが大きく動くので、年収を比べるときは、RSUを確実な収入ではなく上乗せ分として見ておくのが無難です。

年俸制で成果が評価される外資系企業に移るか、長く安心して働ける日系企業にとどまるか。

自分のものにする