キャリア
未経験でIT業界に転職して、後悔しない?
今の仕事を離れて未経験からエンジニアなどのIT職を目指すか、今の業界で経験を積み続けるか。
IT業界は人手不足と言われ、未経験者向けの求人もよく目にします。ただ、その入り口の多くは、客先に常駐して働くSES(システムエンジニアリングサービス)です。多重下請けの構造のなかで、最初の数年は年収が下がることもあります。一方で、基本情報技術者試験のような国家試験で基礎を示せますし、教育訓練給付金の対象講座を選べばスクールの費用も抑えられます。勢いで決める前に、入り口の現実と学び方を確かめておきましょう。
手短に言うと
独学や無料の教材で一度プログラミングに触れて面白いと感じ、半年ほど学び続ける時間と、年収が一時的に下がっても暮らせる蓄えがあるなら、IT業界への転職に踏み出す価値はあります。最初の会社選びでは、SESかどうかより、案件を選べるか、何次請けの仕事が中心か、研修があるかを見てください。基本情報技術者試験のような国家試験で基礎を固め、スクールを使うなら教育訓練給付金の対象講座を選ぶと、費用も抑えられます。給料の高さに惹かれているだけなら、小さく試してから決めても遅くありません。
テンプレートの天秤
甲乙つけがたい
両者はほぼ拮抗しています。大きな項目をさらに細かく分解してみましょう。
前職の業界知識を生かせる社内SEや業務システムの求人がある
初年度の年収が、今の給料を下回ることがある
判断のしくみ
各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。
下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。
メリット
デメリット
論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。
決める前のチェック
- 無料の入門教材で2〜3週間プログラミングを試し、続けられそうか確かめる
- ITパスポートか基本情報技術者試験のCBT日程を予約し、実際に受けてみる
- スクールを検討するなら、教育訓練給付制度の検索システムで専門実践や特定一般の対象講座かを確認する
- 専門実践を使う場合は、ハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受け、受講開始の2週間前までに手続きを済ませる
- 応募先がSESなら、何次請けの案件が中心か、案件を選べるか、待機中の給与はどうなるかを面接で質問する
- 年収が今より下がった場合の家計を、1年分試算しておく
- 前職の業界に関わるシステムを扱う会社や社内SEの求人を洗い出す
よくある質問
- 未経験で入るなら、SESしか選択肢はないのですか?
- 未経験者を採用する会社には、社員を客先に送り出すSES企業が多く、現実的な入り口であることは確かです。SESは本来、準委任契約にもとづいて所属会社が社員に指示を出す働き方で、常駐先の社員から直接仕事の指示を受ける状態は偽装請負として問題になります。会社を選ぶときは、元請けに近い案件が多いのか、三次・四次の下請けが中心なのか、案件を選べるのか、研修や待機中の給与はどうなるのかを確かめてください。自社開発企業やSIerの未経験採用、社内SEを狙う道もあります。
- ITパスポートや基本情報技術者試験は、転職で役に立ちますか?
- 資格だけで採用が決まることはまずありませんが、未経験者にとっては学ぶ意欲と基礎知識を示す材料になります。どちらもIPAが実施する国家試験で、CBT方式により年間を通じて受験でき、受験料は7,500円です。ITパスポートはIT全般の入門、基本情報技術者試験はエンジニアとしての基礎を問う内容なので、開発職を目指すなら後者のほうが評価されやすいでしょう。試験制度は2027年度から見直される予定のため、受験の時期によっては出題範囲を確認しておくと安心です。
- プログラミングスクールの費用は、給付金で安くなりますか?
- 経済産業省が認定するReスキル講座のうち、厚生労働大臣の指定を受けたものは専門実践教育訓練給付金の対象です。支給は受講費用の50%(年間上限40万円)が基本で、資格を取って就職するなどの条件を満たすと70%、さらに賃金が5%以上上がれば80%(年間上限64万円)まで広がります。雇用保険に原則3年以上(初めて使うなら2年以上)入っていることが条件で、受講開始の2週間前までにハローワークでの手続きが要ります。すべてのスクールが対象ではないので、申し込む前に教育訓練給付制度の検索システムで確かめましょう。
- 30代や40代からでも、エンジニアになれますか?
- なれないことはありませんが、未経験の採用枠は20代に厚く、年齢が上がるほど前職の経験との組み合わせが問われます。経理の経験があれば会計システム、物流の経験があれば物流システムというように、業界知識を生かせる案件や社内SEの求人を狙うと勝負しやすくなります。面接で具体的に評価されるのは、年齢よりも、半年ほど学び続けて自分で作ったものを見せられるかどうかです。
- IT業界に入れば、リモートワークで働けますか?
- 国土交通省のテレワーク人口実態調査では、情報通信業はテレワークを経験した人の割合が業種別で最も高く、在宅勤務が広がった業界であることは確かです。ただ、未経験で入る人の多いSESでは、勤務場所は常駐先の方針で決まり、毎日出社の現場も少なくありません。リモートを重視するなら、求人票の「リモート可」が研修期間や配属後も続くのかを、面接で具体的に聞いておきましょう。
今の仕事を離れて未経験からエンジニアなどのIT職を目指すか、今の業界で経験を積み続けるか。
自分のものにする