人間関係
婚前契約は必要?日本の夫婦財産契約と、結婚前に決めておけること
結婚する前に、夫婦財産契約や婚前契約書でお金の取り決めをしておくべきでしょうか。それとも民法の決まり(法定財産制)に任せれば十分でしょうか?
日本では、結婚前から持っている財産や相続で受け取った財産は、契約がなくても民法上それぞれの特有財産です。それでも、婚姻中に得る財産の帰属まで民法と違う形にしたいなら、婚姻届の前に夫婦財産契約を結んで登記するしかありません。2026年4月の民法改正で財産分与のルールも変わりました。契約を結ぶ意味があるのはどんな二人なのかを整理します。
手短に言うと
結婚前からの貯金や相続で受け取る財産を守りたいだけなら、日本では契約がなくても特有財産として扱われるので、記録を残して生活費と分けておけば足りることが多いです。夫婦財産契約まで結ぶ意味があるのは、会社の株や不動産、婚姻中に増える財産の帰属を、民法と違う形ではっきり決めておきたい場合です。その場合は婚姻届の前に契約と登記を済ませる必要があり、結婚後は変更できません。家事や仕事についての約束を確かめ合いたいなら、婚前契約書にまとめ、弁護士に内容を見てもらうと安心です。
テンプレートの天秤
ややノー
デメリットがやや優勢ですが、大差ではありません。
お金の価値観を結婚前に話し合う、いちばん自然なきっかけになる
婚姻届を出したあとは、夫婦の財産関係を変えられない(民法758条)
判断のしくみ
各項目は、あなたがつけた重みで計算されます。サブの論点は親を最大 50% まで強めたり弱めたりできますが、あなた自身の評価が常に主役です。
下の論点をタップしてオフにすると、天秤が動くのが見えます。サブの論点は、その親の重みを変化させます。
メリット
デメリット
論点と重みをあなたの状況に合わせて調整すると、判断がリアルタイムで再計算されます。
決める前のチェック
- 結婚前の預金残高、不動産、株式、借入れを一覧にし、残高が分かる通帳や明細の写しを保管する
- 相続や親からの贈与で受け取るお金は、生活費の口座と分けて管理する
- 夫婦財産契約を結ぶなら、婚姻届を出す日から逆算して、契約と登記を済ませる日程を組む
- 登記は、夫婦が名乗る氏の側の人の住所地を管轄する法務局が窓口になるので、事前に必要書類を問い合わせる
- 家事の分担や仕事の続け方などの約束は婚前契約書にまとめ、公正証書にするかを公証役場で相談する
- 内容が一方に偏っていないか、それぞれが別の弁護士に確認してもらう
- 前の結婚の子どもに財産を残したい場合は、婚前契約とは別に遺言を用意する
よくある質問
- 日本でも婚前契約は法的に有効ですか?
- 民法は、婚姻の届出前に夫婦の財産について別の取り決めをすることを認めています(夫婦財産契約、民法755条)。ただし、法定財産制と異なる内容を夫婦の承継人や第三者にも主張するには、婚姻届を出すまでに登記しなければなりません(756条)。婚姻届を出したあとは、夫婦の財産関係を変えることはできません(758条)。家事の分担や生活上の約束を書いた婚前契約書も、二人の約束としては意味がありますが、内容によっては効力が認められないことがあります。
- 契約がないと、結婚前の貯金も離婚のときに半分になってしまいますか?
- なりません。結婚する前から持っていた財産や、相続や贈与で受け取った財産は特有財産とされ(民法762条)、一般に財産分与の対象になりません。一方、婚姻中の給料で貯めた預金は、どちらの名義でも二人で築いた財産として分けるのが基本です。困るのは、どちらのものか分からなくなったときで、その場合は夫婦の共有と推定されます。結婚前の残高の記録を残し、相続したお金を生活費の口座と混ぜないことが、契約より先にできる守り方です。
- 2026年4月の民法改正で、何が変わりましたか?
- 2026年4月1日から、離婚後に家庭裁判所へ財産分与を求められる期間が2年から5年に延びました。分け方についても、婚姻中に財産を得たり維持したりした寄与の程度は、違いが明らかでなければ等しいものとすると条文に書かれています。また、婚姻中に夫婦間でした契約をいつでも一方から取り消せるとしていた民法754条は削除されました。結婚後に交わした約束を、その特別な規定を使って一方的に取り消すことはできなくなっています。
- 婚前契約書に書いても、思いどおりにならないことはありますか?
- あります。親権や養育費のように子どもの利益に関わることは、結婚前に決めておいても、離婚のときに子どもの事情に照らして改めて判断されます。浮気をしたら高額の慰謝料を払う、といった極端な取り決めも、公序良俗に反するとして認められないことがあります。相続も別の話で、配偶者が相続人になる仕組みは婚前契約では外せません。前の結婚の子どもに財産を残したいなら遺言を用意し、遺留分を放棄してもらうには相続が始まる前に家庭裁判所の許可が必要です。
結婚する前に、夫婦財産契約や婚前契約書でお金の取り決めをしておくべきでしょうか。それとも民法の決まり(法定財産制)に任せれば十分でしょうか?
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